PR

仕事効率化・生産性向上のための業務改善ツール【分類一覧】

Thumbnail for 仕事効率化・生産性向上のための業務改善ツール【分類一覧】
  • 「どのツールを選べばよいか分からない…」
  • 「今の業務は何を改善すればよいか分からない…」
  • 「SaaS?PaaS?専門用語が多すぎて混乱する…」

業務改善ツールの選定は、「課題の原因」を整理し、「補完」か「置き換え」かの方針を定めたうえで、適切なツールカテゴリを選ぶ手順で進めます。

業務改善ツールとは、業務で行うデータ管理・分析・自動化・情報共有などを効率化するシステムの総称です。本記事では、業務課題の整理方法と改善方針の考え方、用途別のツールカテゴリを一覧で解説します。自社の課題に適したツールカテゴリを判断し、改善の方向性を選定する際の参考にしてください。

吉峰
吉峰

「どのツールカテゴリを選べばよいか分からない」という方は、まず下記のナビゲーターを使って、必要な機能から候補カテゴリを確認してみてください。

必要な機能からカテゴリを探す
業務ツール カテゴリナビゲーター

ほしい機能にチェックを入れると、該当するツールカテゴリが表示されます(マッチ数が多いほど、青枠が長くなります)。項目をホバーすると関連機能・カテゴリがハイライトされます。

ほしい機能を選択
業務自動化・開発・データ分析
表計算ソフト
RPAツール
iPaaS(システム連携ツール)
クラウドデータベース
BIツール
業務アプリ開発ツール
コラボレーション・情報共有
グループウェア
ビジネスチャットツール
Web会議ツール
ファイル共有SaaS
日程調整ツール
メールソフト
社内wiki
プロジェクト管理ツール
営業・マーケティング・Web制作
SFAツール
CRMツール
MAツール
名刺管理アプリ
メール配信専用システム
問い合わせ管理システム
フォーム作成ツール
CMSツール
コーポレート(会計・人事・総務)
会計ソフト
労務管理SaaS
勤怠管理システム
給与計算ソフト
経費精算システム
基幹・生産・物流
ERP
生産管理システム
倉庫管理システム(WMS)
ワークフローシステム
目次

よくある業務課題|解決に役立つ業務改善ツール

日々の業務のなかで「効率が悪い」と感じていても、具体的にどのツールを選べば解決できるのか迷う方は少なくありません。ツール選びの第一歩は、いま現場で起きている「課題」を正しく特定することです。

以下に、多くの企業が直面しやすい代表的な業務課題と、解決につながるツールのカテゴリをまとめました。

よくある業務課題と解決につながるツールカテゴリの例
改善したい対象具体的な悩みまず検討すべきツールカテゴリ
データ・集計ファイルが重くて開かない、同時編集できない。
手動でのデータ集計やグラフ化に時間がかかる。
データベース
BIツール
業務アプリ開発ツール
定型業務の手間データの転記やCSVの出し入れが面倒。
毎月の勤怠打刻や経費精算の手入力が負担。
RPA / iPaaS
勤怠・経費・給与SaaS
営業・企業経営顧客情報や商談の進捗が属人化している。
部署間で同じデータを二重入力している。
CRM / SFA
ERP
情報共有・チーム管理タスクの進捗が見えない。書類やマニュアルが迷子。
社内連絡が煩雑。独自の承認ルートを自動化したい。
プロジェクト管理 / 文書共有
グループウェア / ワークフロー
吉峰
吉峰

課題が「ツールの機能不足(アプリ起因)によるものか、仕組みや運用のルール(設計・運用起因)によるものかによって、改善のアプローチが変わります。今のツールを活かすか、丸ごと置き換えるかの判断基準は、次のフレームワークで解説します。

ツール選択フレームワーク|課題・目的に合った改善方法を考える

業務課題を特定した後は、まず検討すべきツールのカテゴリを絞る必要があります。以下のフレームワークに沿って、課題の原因整理 → 改善の方向性選択 → ツールカテゴリ候補の絞り込みの3ステップで進めてください。

ツール選択フレームワークの3ステップ
 

① 原因を整理する

既存のツール使用に伴う課題の多くは、以下のどちらかに集約されます。ツール導入の目的・解決したい課題を、この分類に沿って整理してください。

「アプリ起因」の課題:ツールの機能・性能・仕様がボトルネックとなって生じる課題

  • 例)
    • 大容量のデータ処理だと重い
    • 同時編集ができない
    • データの整合性を維持しづらい

「設計・運用起因」の課題:ツール・システムやワークフローの設計・運用方法がボトルネックとなって生じる課題

  • 例)
    • ツールの中身がブラックボックス化し、属人化している
    • ツールの保守・メンテナンスに多くの時間を割いている
    • 作成した処理ロジックに不備があり、大きな損害が出そうだった

参考:Excelの限界|アプリ起因の弱点と設計・運用起因の弱点

 

② 改善の方向性・アプローチを選ぶ

課題の原因が「アプリ起因」か「設計・運用起因」かによって、まず検討すべき改善の方向性が決まります。

「アプリ起因」の場合は、欲しい機能に着目し以下のどちらかを選択します。

  • 既存ツールを活かし「汎用機能(データ管理、分析、自動化など)を補いたい → 「A. 補完」アプローチ
  • 「業務(営業・人事など)・特定タスク(プロジェクト管理など)に特化した機能」を導入したい → 「B. 置き換え」アプローチ

「設計・運用起因」の場合は、システム全体をシンプルにするために、以下の順に検討します。

  1. 運用方法の見直しだけで改善できそうなら → ツール導入なし
  2. システム設計を見直し、特定ツールにより複雑化が解消されるなら → 「A. 補完」アプローチ
    (例:VBAの長いコードで実装していた処理を、RPAでシンプルに実現)
  3. 既製品に丸ごと移行した方が速いなら → 「B. 置き換え」アプローチ

ここで出てくる「補完」と「置き換え」とは、それぞれ以下の改善アプローチを指します。

  • A. 補完:既存ツールを活かしたまま、不足する機能を別のツールで補う改善アプローチ
    • 向いているケース) 独自業務がある※、既存ツール(資産)を活かしたい、段階的に改善したい場合など
      • ※「B. 置き換え」の場合でも、業務アプリ開発ツールなどの利用により、独自業務への対応が可能
    • 例) Accessや業務アプリ開発ツールによるデータ管理の強化、Power BIでのデータ分析、RPAでの自動化でそれぞれ補う。
  • B. 置き換え:既存ツールは基本的に使用せず、専用ツール・業務システムへの置き換えにより改善するアプローチ
    • 向いているケース) 業界標準に業務フローを合わせたい、特定用途に最適化されたツールを使いたい、法改正への自動対応などの保守管理の負担・リスクを最小限にしたい場合など
    • 例) 勤怠管理をSaaSに、基幹業務をERPに、独自業務を業務アプリ開発ツールにそれぞれ置き換える。

「置き換え」を行う際は、業界標準の業務プロセスに自社を合わせていく「Fit to Standard(標準機能・標準設定で運用する考え方)を基本に検討するのが失敗を防ぐコツです。

改善アプローチとシステム実現方法の違い

ここで紹介する「補完」「置き換え」は、現在の課題に対してどう業務を寄せていくかという 改善アプローチ(課題解決の方向性) を示す考え方です。
一方で、後述する「標準利用」「拡張」「フルスクラッチ」は、システムを具体的にどう構築するかという システム実現方法(開発・導入段階の手段) であり、それぞれ別の評価軸となります。

 

③ ツールカテゴリの候補を絞る

改善アプローチ(補完/置き換え)が決まったら、必要な機能から候補となるツールカテゴリを絞り込みます。

まずは下記のナビゲーターで、必要な機能から外とするカテゴリを確認してみてください。

ナビゲーターでは「どのカテゴリにどんな機能があるか」が分かります。

一方、同じカテゴリでも「既存ツールを活かす(補完)のか、「専用システムへ移行する(置き換え)のかによって選択肢は変わります。

以下の表では、改善アプローチごとの代表的なカテゴリを整理しています。

改善対象A. 補完B. 置き換え
【汎用機能】
データ管理データベース / 業務アプリ開発ツール業務アプリ開発ツール
データ分析・可視化BIツールBIツール
自動化・システム連携RPA / iPaaSワークフローシステム
【専用・業務特化機能】
営業・マーケティング-CRM / SFA
バックオフィス(人事労務・会計)-勤怠・経費・給与SaaSERP
情報共有・タスク管理-プロジェクト管理ツール文書共有ツールグループウェアなど

※ 「-」は、単一の代表的なツールカテゴリがない、または複数ツールの組み合わせや個別設計・開発によって実現するケースが一般的なもの。

吉峰
吉峰

使い方によって「補完」にも「置き換え」にもなります。この表はあくまでもよくある使われ方の傾向としてまとめたものです。

「業務アプリ開発ツール(ノーコードWebデータベース)は、既存のExcelデータをそのままWeb・クラウドデータベース化して「補完」する使い方も、業務プロセス全体を「置き換える」使い方も両方可能です。 BIツールなど、他のカテゴリに関しても完全に「補完」か「置き換え」かに二分できません。

A. 補完の場合は複数ツールの組み合わせにより自由度が高くなり、B. 置き換えの場合は1つのツールで完結するため保守の手間が小さく済む傾向にあります。自由度の高さと保守性とのトレードオフの関係にあると言えます。

A. 既存ツールの「補完」に役立つカテゴリ|機能拡張・併用ツール

各ツールカテゴリの概要・導入メリット・代表的なツール例を紹介します。その中でもここでは、既存ツール(Excelなど)を活かしながら、不足する機能を補う「補完をするときに役立つカテゴリを取り上げます。

吉峰
吉峰

あくまでも傾向なので、「補完」に限らず「置き換え」として導入されることもあります。

 

A-1. データベース:データ管理

データベースは、大容量のデータをリレーショナル(表形式の関連付け)構造で保持・管理し、SQLなどによる高速なデータ抽出を可能にするシステムです。

導入で得られるメリット・機能:

  • 大容量(数百万件以上)のデータに対する高速な検索・書き込み処理が可能
  • データの重複を排除する正規化により、冗長性を排除し、更新の一貫性を保ちやすい
  • 複数ユーザーによる同時アクセス・同時編集時のデータ競合を制御

代表的なツール例: Microsoft Access、SQLite

「ファイル共有型」と「システム一元管理型」

上記の例はローカルPCで動作する「ファイル共有型」のデータベースです。他にもPostgreSQL、MySQLといった「システム一元管理型」もありますが、これらはデータベースソフトの比較記事で詳しく解説しています。

※Excelからの移行先として、より手軽な「Web・クラウド型のデータベース」比較は、こちらをご覧ください

吉峰
吉峰

文書共有ツール(例:Notion)などにもデータベース機能を持つものがありますが、こちらはドキュメント管理など、より柔軟なデータ形式(NoSQLに近い性質)に向いたデータベースと言えます。

 

A-2. BIツール:データの分析・可視化

BIツール(Business Intelligenceツール)は、複数の異なるデータソース(Excelブック、データベース、クラウドサービスなど)からデータを集計し、ダッシュボード上にグラフや指標として準リアルタイムまたは定期更新で可視化するツールです。

導入で得られるメリット・機能:

  • 手動でのグラフ作成、週報・月報レポート作成作業の自動化
  • クロス集計やドリルダウン(詳細データの階層的な深掘り)による、異常値や売上要因の即時特定

代表的なツール例: Microsoft Power BI、Tableau、Looker Studio

 

A-3. RPA / iPaaS:システム連携とデータ転記の自動化

RPA(Robotic Process Automation)は、PC画面上の操作(クリック、キーボード入力など)をシナリオ化して自動実行するソフトウェアです。iPaaS(Integration Platform as a Service)は、クラウドサービス間をAPIによって接続し、データ連携するプラットフォームです。RPAはUIを指定して動かすため幅広いツールを操作対象にでき、iPaaSはAPIで直接接続するため高速・安定に連携できる、というそれぞれのメリットがあります。

導入で得られるメリット・機能:

  • システム間を跨ぐ手動のデータ転記作業、CSVファイルのダウンロード・アップロードの自動化
  • 特定のトリガー(メール受信、時間指定など)に応じた夜間・休日の自動バックグラウンド処理(主にRPA)

代表的なツール例:

  • RPA: Power Automate Desktop、UiPath、WinActor
  • iPaaS: Make、Zapier、Workato
吉峰
吉峰

SaaS・PaaS・iPaaSなどの用語の違いは、後述の「用語整理|理解を助ける基礎知識にまとめています。

B. システムの「置き換え」に役立つカテゴリ|代替・刷新ツール

企業全体の業務プロセスや専用タスクを根本から刷新(置き換え)し、運用を効率化する上で役立つツールを紹介します。既存ツールでは限界がある場合や、 運用・保守も含めて見直した方が効果的な場合は、専用ツール・業務システムへの置き換えが有効です。

Excel業務の置き換えの場合

ここで紹介するツールには、「脱Excel」に適したツールもそうでないツールも含まれます。Excel管理している業務の移行・乗り換え先ツールの選び方については、別の記事でまとめています。

吉峰
吉峰

ここで紹介する「業務アプリ開発ツール」は、「補完」アプローチでも有力になります(とくにExcel使用の場合)

 

B-1. 勤怠・経費・給与SaaS:バックオフィス業務

勤怠・経費・給与SaaSは、打刻・シフト管理を行う勤怠管理、領収書読み取り・承認を行う経費精算、法改正(所得税・社会保険料率)に自動対応して計算を行う給与計算のバックオフィス専用クラウドサービスです。完成した業務アプリケーションを利用するSaaS(Software as a Service)の代表例と言えます。

導入で得られるメリット・機能:

  • 手入力による記録・手計算による集計作業時間の削減
  • 電子帳簿保存法やインボイス制度などの法改正に伴うシステム改修コストの不要化(自動アップデート)

代表的なツール例: KING OF TIME、マネーフォワード クラウド経費、freee人事労務、ジョブカン勤怠管理

 

B-2. CRM・SFA:顧客情報と商談プロセス管理

CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)・SFA(Sales Force Automation:営業支援自動化)は、顧客の属性情報(企業名、担当者、過去の接触履歴)を管理するCRM機能と、商談の進捗状況(見込み度、フェーズ、次回アクション)を管理するSFA機能を持つ営業支援システムです。勤怠・経費・給与SaaSと同じく、完成した業務アプリケーションを利用するSaaSの代表例と言えます。

導入で得られるメリット・機能:

  • 営業担当者ごとの売上予測(ヨミ)および商談プロセスのリアルタイム共有
  • 担当者変更時における、過去の商談経緯や提案資料の捜索時間・引き継ぎ工数の削減

代表的なツール例: Salesforce Sales Cloud、HubSpot Sales Hub、Mazrica Sales

 

B-3. ERP:基幹データの一元管理

ERP(Enterprise Resource Planning)は、会計、人事、生産、物流、販売などの各業務アプリケーションと承認ワークフローが一体化した統合業務システムであり、全社の基幹データを単一のデータベースで一元管理・処理できます。

導入で得られるメリット・機能:

  • 販売管理システムと会計システム間のデータ自動連携による、月次決算の早期化
  • 各部門の在庫状況、購買データ、売上データの一元化による、二重入力の大幅削減

代表的なツール例: SAP S/4HANA、Oracle NetSuite、勘定奉行(奉行V ERP)

 

B-4. プロジェクト管理ツール:タスク進捗とチーム状況の可視化

プロジェクト管理ツールは、プロジェクトを構成する各タスクの担当者・期限・進捗状況・依存関係を記録し、カンバン画面やガントチャートでチーム内に一元可視化・共有するツールです。

導入で得られるメリット・機能:

  • プロジェクト全体の遅延タスクおよびボトルネック(特定個人へのタスク集中)の可視化
  • 進捗確認ミーティングの回数削減(ツール上のステータス変更で完了するため)

代表的なツール例: Asana、Trello、Backlog、Jira Software

 

B-5. 文書共有ツール:社内マニュアルとノウハウの蓄積

文書共有ツールは、社内規程、業務マニュアル、ノウハウなどの情報をWebブラウザ上で作成・編集(同時編集対応)し、全文検索ができる情報蓄積システムです。

導入で得られるメリット・機能:

  • システム内の全ページを対象とした一括横断検索による、目的のドキュメントや過去のノウハウの捜索時間の削減
  • 最新版マニュアルの一元化による旧バージョン誤用トラブルの防止

代表的なツール例: Notion、Confluence、Qiita Team、Kibela

 

B-6. グループウェア:社内コミュニケーションの基盤

グループウェアは、メール、チャット、カレンダー、Web会議、ファイル共有が単一のアカウント(共通の組織マスター)で連動し、予定の確認から会議URLの発行、資料共有までの共同作業をシームレスに行える社内情報共有基盤システムです。

導入で得られるメリット・機能:

  • 会議室予約とメンバーの空き時間の同時確認・スケジューリングの効率化
  • シングルサインオンによる、各種コミュニケーションアプリへのログイン一元管理

代表的なツール例: desknet's NEO、サイボウズ Office、J-MOTTOグループウェア

 

B-7. (ノーコード)業務アプリ開発ツール:自社専用システムとワークフローの構築

業務アプリ開発ツール(aPaaS:Application Platform as a Service)は、データベース構造、画面レイアウト、プロセス(承認ルート)を、ソースコードを記述せずに(ローコード/ノーコード自社の業務フローに合わせて構築できるシステムです。「ノーコード/ローコード業務アプリ開発ツール」「ノーコード/ローコード業務アプリ基盤」もっと短く「ノーコードツール」と呼ばれることもあります。SaaSとは異なり「完成した業務アプリを利用する」のではなく、自社向けの業務アプリケーションを独自に構築できる点に最大の特徴があります。

導入で得られるメリット・機能:

  • マウス操作を基本(ソースコードの記述が不要)とした画面操作により、自社の業務変更に合わせた画面・入力項目の即時修正が可能
  • 開発・設定プロセスに高度な専門知識が不要となり、特定担当者への依存(独自コードのブラックボックス化)リスク軽減に寄与
  • 条件分岐(金額、部署、役職など)のシステム化による、申請から決裁にいたる承認プロセスの自動化と証跡(ログ)保持
  • Excelと親和性が高いツールも多く、「補完」する使い方も可能。例えば業務アプリ開発ツール内のデータベースから、ExcelのPower Queryでデータ参照して連携するなど。

代表的なツール例: kintone、Microsoft Power Apps、Salesforce Platform

吉峰
吉峰

業務アプリ開発ツールは、Web・クラウドデータベースとしても機能するため「ノーコードWebデータベース」としての側面もあります。Excelよりも厳格なデータ型の定義、同時編集やアクセス権限の設定といった機能が充実しています。

用語整理|理解を助ける基礎知識

上記まで紹介したツールカテゴリは、「完成した業務アプリケーションを利用するサービス」と、「自社向けの業務システムを構築・連携・自動化するサービス」に大きく分類できます。また、クラウドサービスにはSaaSやPaaSなどの似た用語も多く混乱しがちです。ここでは、ツール選定で混同しやすい用語や位置づけを整理します。

 

業務改善ツールの全体像

業務向けクラウドサービスは、大きく「完成した業務アプリケーションを利用するSaaSと、業務システムを構築・連携・自動化するプラットフォーム系サービスに分けられます。前者は既製品を導入して業務を効率化する用途、後者は自社の業務に合わせたシステム構築や複数サービスの連携、自動化を行う用途で利用されます。

業務向けクラウドサービス
├ 📦 完成した業務アプリケーションを利用する [SaaS]
│ ├ バックオフィス(勤怠、経費、給与、会計など)
│ ├ 営業・マーケティング(CRM、SFA、MA、顧客管理など)
│ ├ 情報共有・コラボレーション(プロジェクト管理、グループウェア、チャット、文書共有、ワークフローなど)
│ ├ IT運用(セキュリティ、監視、ID管理、ITサービス管理など)
│ └ 業界特化(医療、建設、小売、製造、教育など)
└ 🛠️ 業務システムを構築・運用する
   ├ アプリ開発[aPaaS](ノーコード/ローコード業務アプリ開発、業務フロー構築)
   ├ システム連携[iPaaS](APIなどを利用したクラウド・システム間のデータ連携)
   ├ データ基盤[Data Platform(dPaaSなど)](データの収集・蓄積・分析・可視化)
   └ 業務自動化[RPA](PC操作やレガシーシステムを含む業務の自動化)
text
吉峰
吉峰

aPaaSなどの業務向けクラウドサービスが、「SaaS」と紹介されることもあります。たとえば、ノーコード/ローコード業務アプリ開発ツールを、「SaaS」と呼ぶケースです。サービスモデルとしてはSaaSとaPaaSは別の分類ですが、実際の製品には両方の特徴を備えたものも多く、境界は必ずしも明確ではありません。

SaaSはさまざまな切り口で分類できる

SaaSはさまざまな軸によって分類できます。以下は代表的な分類方法の例です。

  • 「業界」に着目した分類
    • ホリゾンタルSaaS:業界横断型・汎用型のSaaS。上記の中では「業界特化以外」のSaaSに該当。
    • バーティカルSaaS:業界特化型・業種特化型のSaaS。上記の中では「業界特化SaaS」に該当。
  • 利用シーンに応じた分類
    • 部門業務系SaaS(業務アプリケーション):営業、人事、経理など特定部門・業務を支援するSaaS。上記の中では「バックオフィス」「営業・マーケティング」「IT運用」のSaaSに該当
    • 業務共通基盤系SaaS(コラボレーション・基盤):部門を問わず利用される、業務の共通基盤となるSaaS。情報共有・共同作業、文書管理、コミュニケーションなどの汎用的な機能を提供する。上記の中では「情報共有・コラボレーション」のSaaSに該当。

※ 「部門業務系SaaS」「業務共通基盤系SaaS」は、一般的な業界標準の分類名ではありません。

 

クラウドサービス(○aaS)の用語整理

クラウドサービスには、「○○ as a Service(○aaS)という名称が多く使われます。これは「どのレイヤー(層)の機能をサービスとして提供するか」を表したものであり、代表的なものは以下のとおりです。

▼【提供形態による分類】

用語概要
IaaS(Infrastructure as a Service)仮想サーバー、ストレージ、ネットワークなど、インフラ基盤を提供
PaaS(Platform as a Service)アプリケーションの開発・実行環境を提供
aPaaSノーコード/ローコードによる業務アプリケーション開発基盤
iPaaSAPIなどを利用したクラウド・システム間のデータ連携基盤
dPaaSデータの収集・蓄積・分析・可視化を行うデータ基盤
SaaS(Software as a Service)完成したソフトウェア(業務アプリケーション)を提供
BPaaS(Business Process as a Service)システムだけでなく、業務プロセスや運用・人的サービスも含めて提供

「○aaS」には、用途や機能に着目した呼び方もあります。

▼【用途・機能による分類】

  • DBaaS(Database as a Service):データベースを管理不要で利用できるサービス(PaaS的な性質を持つことが多い)
  • STaaS(Storage as a Service):クラウドストレージを提供するサービス(IaaS的な性質を持つことが多い)
  • FaaS(Function as a Service):イベントに応じてプログラムを実行するサーバーレス実行環境(PaaSの発展形と位置づけられることが多い)
  • CaaS(Container as a Service):コンテナの実行・管理基盤を提供するサービス(IaaSとPaaSの中間に位置づけられることが多い)
  • IDaaS(Identity as a Service):複数のクラウドサービスの認証やアカウント管理を一元化するサービス

システム導入パターン

「何を導入するか(ツールカテゴリ選定)を決めた後は、システムを「どのような手段で構築・実現するかを決定します。

ツールカテゴリごとに、標準機能のまま使うか、それとも手を加えるかによってシステム実現方法が分かれます。以下は、実現方法とそれを適用する主な対象ツールの対応表です。

実現方法主な対象ツール
標準利用SaaS・ERP・業務アプリ開発ツール(ノーコードツール)・Excelなど
拡張ERPアドオン開発・ノーコード追加開発(プラグイン・JavaScript)・Excel+VBAなど
フルスクラッチ開発ゼロから仕様を設計して開発する独自システム
吉峰
吉峰

開発・カスタマイズの自由度が高くなるほど、導入期間や初期コスト、および将来の保守費用は上昇します。まずは業務の標準化(Fit to Standard)を最優先にし、不要なアドイン・追加開発を避けて「標準利用」から検討するのがシステム構築の鉄則です。

より具体的な「標準利用・拡張・フルスクラッチ」の選定基準や、プロジェクトの進行プロセスについては、別記事「システム導入の流れ|失敗を防ぐ9ステップとプロジェクトの進め方で詳細しく解説しています(判断フローあり)

ツールカテゴリや導入方法が決まったら、次は実際の活用イメージを具体化してみましょう。実際の企業がどのような課題を解決し、どのツールを活用してDXを進めているのかは、【目的別】DX推進・IT活用事例31選で紹介しています。

まとめ|自社に最適なツール選定で業務改善を進めよう

本記事の要点は下記の通りです。

【ツール選択フレームワーク】

  1. 現状の課題整理:ツール導入の目的・課題が「アプリ自体の仕様制限」によるものか、「運用ルールやデータ設計の不備」によるものかを切り分ける。
  2. アプローチの選定:既存のデータ・システムを活かす場合は「補完(データベース、BI、RPA/iPaaS、業務アプリ開発ツールなど)を選択し、業務プロセス自体を抜本的に刷新する場合は「置き換え(各種SaaS、ERP、業務アプリ開発ツールなど)を選択する。
  3. 適合テーブルの活用:自社の改善対象が「汎用機能(データ管理・分析・自動化)か「専用・業務特化機能(営業・バックオフィスなど)かに応じて、適合するツールカテゴリを絞り込む。

業務改善は、ツール選びの前段階である「課題の整理」と「改善方針の明確化」が成否を分けます。自社に最適なツール選びの第一歩として、まずは複数製品の資料を比較検討してみてください。

どのツールカテゴリを導入するかを定めた後の、「具体的な導入手順」や「標準利用・拡張・フルスクラッチ開発(システム実現方法)の最適な選び方」については、別記事「システム導入の流れ|失敗を防ぐ9ステップとプロジェクトの進め方で取り扱っています。

ツール選びにはAIチャットも便利

「細かい条件を設定しながら、自社の環境に最適なツールをじっくり選びたい」という場合は、BOXIL(ボクシル)が提供しているAIチャット相談機能を活用してみるのがオススメです。日本最大級のSaaS比較サイトであるBOXILの豊富な掲載情報をもとに、チャット形式で条件に合ったツール選びをサポートしてくれます。