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Excelのクエリとは?パワークエリでできること【活用例・業務改善方法】

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データ集計やコピペ作業を自動化したいなら、エクセル(Excel)「クエリ(パワークエリ / Power Query) が最適です。Power Queryは、テーブル単位で「データの取得・加工・出力」 できる、外部連携に強い Excel標準機能です。

本記事では、Excelのクエリとは何なのか、関数との違いや 「できること」「業務改善で役立つポイント」 を解説します。

「どのようにしてExcelのクエリが業務改善に役立つか」がわかるはずです。

結論|パワークエリでエクセル作業はここまで変わる(ビフォーアフター)

パワークエリを使うとどのように業務効率化ができるのか、具体的な例を示します。

Power Queryによる業務改善事例

  • 経理の月次締め作業 : 20ファイルを開いて集計(開く+コピペ+整形で約90分)
    フォルダに入れて更新ボタン1つで集計(約3分)

  • 資料管理(一覧作成) : フォルダ内のファイルを目視確認 (「どれが最新かわからない」「古い資料を使ってしまう」などのミスが発生)
    ファイル名・更新日を自動取得し一覧化(常に最新状態を維持)

  • 自社サイトの掲載情報確認 : 毎日、サイト上の販売価格や在庫ステータスを目視で確認し、管理台帳を更新(サイトの巡回+データの特定+転記作業+目視確認で約30分)
    自社サイトから直接情報をインポートし、基幹データとの照合を自動化(約1分、約96%削減)

※デモとしてWeb Scraper公式テストサイトを使用
※作業時間は一例(環境・データ量により変動)

「毎月末にいくつものExcelを開いて、シートをコピペしている」「複数の支店から届くデータを手作業でまとめている」というような、データの移動・加工の繰り返し作業 こそが、Power Queryが得意とする領域です。

特徴|エクセルでのクエリとは?Power Queryの3つの強み

「Excelのクエリ」とは、多くの場合「Power Query(パワークエリ)のことを指します。

用語整理

一般的にIT分野においては、「クエリ」とは「ソフトウェアに対する命令文」を意味します。

  • クエリ: 保存された個別の「命令文 / 処理手順」
  • パワークエリ (Power Query): 機能全体の名称

Power Queryは、テーブル全体をまとめて処理できるファイルを開かずに外部データを取得できる Excel標準機能です。主に以下の3つの特徴があります。

  • 特徴1: テーブル全体をまとめて処理できる
  • 特徴2: 外部ファイルを開かずに取得できる
  • 特徴3: マウス操作中心で使える(ローコードツール)

導入状況

Excel 2016以降のバージョンであればすぐに使用できます。
※Excel 2010/2013はアドインで対応可能(ただしアップデート終了)

 

特徴1:テーブル単位で一括処理できる

数式(関数)によるデータ処理は、セル1つひとつに対して行います。一方でPower Queryは、テーブル全体をまとめて 処理します。「列を追加する」「特定の行を絞り込む」といった操作が、データ量に関わらず一括で行えるため、大量データでも扱いやすいのが特徴です。

 

特徴2:外部ファイルを開かず取得できる

Power Queryは、参照元のExcelファイルを開かなくても中身のデータを取得できます。数式(関数)による外部参照は、ファイルを開いていないとリンクが切れやすい場面もありますが、Power Queryはその心配が少なく安定しています。

ExcelブックだけでなくCSVファイル、PDFファイル、Web上の情報など、多くのデータソースを読み込むことが可能です。

 

特徴3:マウス操作中心で使える(ローコード)

Power Queryは、マウス操作だけで基本的な処理を設定できるローコードツールです。コードを書く必要がないため、プログラミング未経験の方でも導入しやすい設計になっています。処理手順は「ステップ」として自動的に記録されるため、後から内容を確認・修正することも容易です。

仕組み|パワークエリが業務改善できる理由

Power Queryは業務効率化に役立ちます。その理由は、テーブル単位の作業手順を自動記録し、再現できる仕組みにあります。

  • ステップ記録 = 作業の自動記録: 「この列を削除」「この値を置換」といった処理をマウス操作中心に設定でき、作業手順として自動的に保存される
  • 更新ボタン1つで再実行: 元データが変わっても、保存された手順どおりに処理が再実行できる

この仕組みにより、一度設定してしまえば、毎回同じ手作業をしなくて済むようになります。関数と異なり、テーブル単位で処理を行うため大量のデータでも高速で、セルのサイズの変更にも自動対応 します。

テーブルデータの加工・整形

活用例|パワークエリでできることを具体的に解説

Power Queryでできることについて、実際の業務シーンで役立つものを紹介します。

  • 活用例1 :コピペ・転記作業の自動化
  • 活用例2 :複数ファイルを一括集約
  • 活用例3 :データ加工・クレンジング
  • 活用例4 :大量データ処理(Excel限界行数の突破)
  • 活用例5 :業務シーン別の具体例
 

活用例1:コピペ・転記作業の自動化

Power Queryを使うと、コピペ・転記作業を自動化できます。別のブック(Excelファイル)を開かずにデータを取得したり、Web上の情報やPDF内の表なども瞬時に取り込んでExcelに書き込めます。

活用例 : 外部のExcelブックやCSVから手作業でデータを転記していた → 「更新」ボタン1つで最新データが挿入される仕組みに。

 

活用例2:複数ファイルを一括集約

Power Queryは、複数のブック内のデータを集約・統合し、1つのテーブルとして書き出すことができます。一度設定してしまえば、フォルダに複数のブックを配置し、「データの更新」を1クリックするだけで自動的に統合されます。

活用例 : 大量のファイルを手作業で1つずつ結合していた → 指定フォルダにファイルを保存するだけで、自動で1つのテーブルに積み上がる仕組みに。

複数ファイルの一括集約
 

活用例3:データ加工・クレンジング

Power Queryを使うことで、テーブルデータの加工や整形の自動化を実装できます。

活用例 : 表記ゆれの修正や不要な行の削除を毎回手動で行っていた → 加工手順を「ステップ」として登録することで、汚いデータも1クリックで集計用データに変換できる仕組みに

活用例 : 複数の表をVLOOKUP関数などで複雑に紐づけていた → クエリの「マージ(結合)機能により、巨大なデータ同士も一瞬で関連付けられる仕組みに

元のテーブルは書き換えず、加工後のテーブルは別に配置されます。「データの更新」を1操作行うだけで、元データの変更が反映されます。

 

活用例4:大量データ処理(Excel限界行数の突破)

通常のExcelは約 104万行 が上限です。販売データや顧客データのような大規模なデータを扱う場面では、この行数制限がネックになることがあります。

Power Queryはデータを「取得・加工」するエンジンとして動くため、数百万行規模のデータも処理可能です。集計・絞り込みを済ませた結果だけをExcelシートに出力する運用にすれば、行数制限の問題を実質的に回避できます。

活用例 : 膨大なデータが重くてExcelで開けなかった
→ データ分割し、Power Queryで集約・抽出することで、巨大なファイルも軽快に分析できる仕組みに

 

活用例5:業務シーン別の具体例

具体的な業務別の活用シーンとしては、下記のようなものがあります。

  • 予実管理: 予算ファイルと実績ファイルを自動で突き合わせ、差異を可視化
  • 売上集計: 各部門・拠点からのExcelを毎月自動集約し、ダッシュボードに反映
  • 競合価格のWeb取得: 競合サイトの価格情報を定期取得し、比較表を自動更新
  • 勤怠・日報の集計: 各自が入力した日報Excelをフォルダ管理→月次で自動集計

比較|パワークエリと関数・VBAの違い

Power Queryと数式(関数)・VBAの特徴を比較すると、以下の通りです。

パワークエリ数式(関数)VBA
データ処理の単位テーブル単位セル単位セル・シート・ブックなど柔軟
処理内容の記述場所クエリ(ステップとして記録)セルコード(プログラミング)
外部連携✅ 強い(ファイルを開かず取得可)❌ 弱い(リンク切れが起きやすい)🟡 可能(だが複雑)
学習コスト✅ 低い(マウス操作中心)🟡 中程度❌ 高い(コードを書く必要がある)
再現性・属人化防止✅ 高い❌ 低い(作成者しかわからないことが多い)
大量データ耐性❌ 低い🟡 中程度

Power Queryは「コードを書かずに使えるデータ自動化ツールとして、VBAと比較すると学習コストが低く、関数と比較すると外部連携・大量データへの対応力が高いというバランスのよいポジションにあります。

メリット・デメリット|パワークエリの強み・弱み

Power Queryのメリット・デメリットを整理します。

 

メリット

  • メリット1:ファイルを開かず取得+リンク切れしにくい
  • メリット2:元データを破壊しない
  • メリット3:学習コストが低く、属人化しにくい
  • メリット4:コード拡張も可能

メリット1:ファイルを開かずデータ取得可能+リンク切れしにくい

Power Queryは別のExcelブックを開かずにその中身のデータを参照でき、最新データの取得が可能です。参照するExcelブックのデータをテーブルに格納しておくことで、「シート名」や「セル配置」を変更してもリンクが切れなくなり頑強な外部参照を実現できます。

吉峰
吉峰

数式(関数)による外部参照では、リンクが簡単に切れてしまいます。

メリット2:元データを破壊しない

Power Queryでは、読み込む元のデータを上書きしません。VBAと異なり、元データの破壊リスクを心配する必要がないため、初心者であっても気軽に加工処理を試せます。

メリット3:学習コストが低く、属人化しにくい

Power Queryは基本的にマウス操作で設定できるプログラミング不要のローコードツールです。処理手順は「ステップ」として記録され、後から誰でも処理内容を確認・修正できる点も優れています。「その人しかわからない作業」になりにくく、再現性のある業務フローを構築できます。

メリット4:コード拡張も可能

Power Queryはマウス操作だけで十分な処理が実装できますが、専用言語(M言語を使った細かいカスタマイズも可能です。コードの全体をコピペできるため、生成AI(ChatGPTやGeminiなど)を活用した「コード作成」や「処理内容の解析」も容易に行えます。

 

デメリット

  • デメリット1 :UIが独特
  • デメリット2 :リアルタイム更新ではない

デメリット1:UIが独特

Power Queryの操作画面は通常のExcelとは異なり独特で、見慣れない最初のうちはとっつきにくいかもしれません。ただし基本的にマウス操作で完結するため、VBAのようにコードを覚える必要はなく何度か使ううちに自然と慣れていきます。

デメリット2:リアルタイム更新ではない

Power Queryの出力結果は、数式(関数)と異なりリアルタイムでは更新されません。元のデータを変更・修正しても、すぐには反映されず、手動での「更新」操作が必要になります。ただし、一定時間ごとの自動更新の設定は可能です。

吉峰
吉峰

1セル程度の単純な計算であれば、数式(関数)の方が手軽です。Power Queryでは、簡単な編集だけでも画面を行ったり来たりしなければなりません。

まとめ|パワークエリは業務改善を実現する自動化ツール

Power Queryは、テーブル単位で「データの取得・加工・出力」ができる、外部連携に強い Excelの標準機能です。» Power Queryの使い方はこちらにまとめました。

転記・集計・加工といった繰り返し作業を自動化できるだけでなく、簡易的なデータベース運用への応用も可能です。データの活用・再利用のために重要な機能であり、業務効率化に大きく貢献するはずです。