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エクセルのクエリとは?パワークエリでできること・業務改善術

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はじめに

データ集計やコピペ作業を自動化したいなら、エクセル(Excel)「クエリ(パワークエリ; Power Query) が最適解です。Power Queryは、テーブル単位で「データの取得・加工・出力」 できる、外部連携に強い Excel標準機能です。

本記事では、Excelのクエリとは何なのか、関数との違いや 「できること」「業務改善で役立つポイント」 を解説します。

「どのようにしてExcelのクエリが業務改善に役立てられるか」がわかるはずです。

Power Queryとは何なのか

「Excelのクエリ」とは、正式名称「Power Query(パワークエリ)のことです。

用語整理

一般的にIT分野においては、「クエリ」とは「ソフトウェアに対する命令文」を意味します。

  • クエリ: 保存された個別の「命令文 / 処理手順」
  • パワークエリ (Power Query) : 機能全体の名称

Power Queryは、 テーブル単位で「データの取得・加工・出力」 できる、外部データ連携に強い Excel標準機能です。主に以下の2つの特徴があります。

  • 特徴1. テーブル単位でデータ処理できる
  • 特徴2. 外部連携に強い

導入状況

Power QueryはExcel 2016以降のバージョンであればすぐに使用できます。

  • Excel 2016以降: 標準搭載(データタブに配置)
  • Excel 2010/2013: アドインで対応可能(※現在は更新終了)
 

特徴1. テーブル単位でデータ処理できる

数式(関数)によるデータ処理は、セル単位で行います。

一方で、Power Queryは テーブル単位 でデータ処理を行います。テーブル内のデータをまとめて処理するため、大量のデータも扱いやすい です。

 

特徴2. 外部連携に強い

Power Queryは外部連携に強く、ソースとなる別ブック(Excelファイル)開かずに中身を参照 できます。数式(関数)の場合は、別ブックを開かずに外部参照できる状況は限定的です。

Excelブックだけでなく、CSVファイル、PDFファイル、Web情報など多くのデータソースを読み込むことができます。

 

数式(関数)との比較

Power Queryと数式(関数)の特徴をまとめると、以下の通りになります。

【パワークエリ】

  • データ処理の単位: テーブル単位
  • 処理内容の記述場所: クエリ
  • 外部連携: 強い

【数式(関数)

  • データ処理の単位: セル単位
  • 処理内容の記述場所: セル
  • 外部連携: 弱い

Power Queryで「できること」「業務改善での活用ポイント」

Power Queryでできることには、以下の3つがあります。業務改善に役立てられるはずです。

  1. 転記作業の自動化
  2. 複数ファイルの一括集約
  3. テーブルデータの加工・整形
 

1. 転記作業の自動化

Power Queryを使うと、転記作業の自動化ができます。Power Queryは外部連携に強いため、別のブック(Excelファイル)を開かずに中のデータを吸い出し、使用することが可能です。

Excelブックからの転記だけでなく、Web上の情報やPDF内の表などのデータも瞬時に取り込み、Excelブックに書き込むこともできます。

 

2. 複数ファイルの一括集約

Power Queryは、複数のブック内のデータを集約・統合し、1つのテーブルとして書き出すことができます。一度設定してしまえば、1つのフォルダに複数のブックを放り込み、「データの更新」の1クリック操作だけで自動的に統合できるようになります。

複数ファイルの一括集約
 

3. テーブルデータの加工・整形

Power Queryを使うことで、テーブルデータの加工や整形の自動化を実装できます。具体的には、以下が行えます。

  • データクレンジング : 不要な列・行の削除、表記ゆれの置換
  • 複数テーブルの統合: 結合、紐づけ・関連付け

元のテーブルは汚さず、加工後のテーブルは別に配置されます。元のテーブルのデータを変更した後は、「データの更新」の1操作を行うだけで、変更されたデータが反映されます

テーブルデータの加工・整形

メリット

Power Queryは、数式(関数)やVBAの使用と比較したとき、以下の利点があります。

  • 外部参照が安定
  • 元データを破壊しない
  • 学習コストが低い、属人化しにくい
  • コードも使える
 

外部参照が安定

Power Queryは別のExcelブックを開かずにその中身のデータを参照でき、最新データの取得が可能です。参照するExcelブックの中身のデータをテーブルに格納しておくことで、「シート名」や「セル配置」を変更してもリンクが切れなくなり、頑強な外部参照ができます。

吉峰
吉峰

数式(関数)による外部参照では、リンクが簡単に切れてしまいます。

 

元データを破壊しない

Power Queryでは、読み込む元のデータを上書きすることはありません。VBAと異なり、元データの破壊リスクについて心配する必要がないため、初心者であっても気軽に加工処理を試せます。

 

学習コストが低い、属人化しにくい

Power Queryは基本的にマウス操作で設定できるプログラミング不要のローコードツールで、コードを覚えなくても十分に使用できます。コードを覚える必要のあるVBAと比べて、圧倒的に学習コストが低く、属人化しにくいと言えます。

Power Queryでのデータの加工手順は、「ステップ」として記録され、後から誰でも簡単に処理内容を追える点も優れた点です。

 

コードも使える

Power Queryはマウス操作でも十分な処理が実装できますが、専用言語である M言語 というコードを使った処理内容の記述もできます。M言語による記述によって、細かいカスタマイズが可能となります。

処理内容の全体を1つのコードとして入力・出力でき、コピペも可能です。コードのコピペができるので、ChatGPTやGeminiのような生成AIに「コード作成」や「処理内容の解析」も簡単に依頼できます。

デメリット

Power Queryのメリットは大きいですが、以下のようなデメリットもあります。

  • 最初は慣れが必要
  • リアルタイム更新ではない
 

最初は慣れが必要

Power Queryの操作手順や専用画面は、通常のExcel使用時とは異なり独特であるため、見慣れない最初のうちはとっつきにくいです。何度か使ううちにすぐに理解できるはずですが、それまでは、操作がおぼつかないかもしれません。

 

リアルタイム更新ではない

Power Queryによって出力されるテーブルは、数式(関数)と異なり、「リアルタイム更新」ではありません。元のデータを変更・修正しても、すぐには反映されず、「更新」操作が必要になります。「更新」操作は、手動ですべて更新ボタンを押すか、一定時間ごとの自動更新の設定が必要です。

Power QueryはExcel作業を劇的に変える「自動化の基盤」

Power Queryはテーブル単位で「データの取得・加工・出力」できる、外部連携に強い Excelの標準機能です。Power Queryの使い方はこちらにまとめました。

Power Queryを使うことで、データの転記・加工の自動化ができるだけでなく、簡易的なデータベース運用へと応用もできます。データの活用・再利用のために重要な機能 であり、業務効率化に大きく貢献するはずです。