さくっとエクセレートさくっとエクセレート

上級者が実践するエクセル表の作り方【見やすくデータをまとめる方法】

Thumbnail for 上級者が実践するエクセル表の作り方【見やすくデータをまとめる方法】

はじめに

「見づらく、使いにくい表をどうにかしたい」
「表作成をもっと効率化できる便利な機能を知りたい」

このような悩みを感じたことはありませんか?

Excel(エクセル)において、単に見た目が整っているだけの表は不十分です。 「見やすさ」「扱いやすさ」 を両立させること重要です。 やや上級者向けの内容になりますが、この2つを意識するだけで、 ビジネスの現場で圧倒的に効率よく活用できる表 が作れるようになります。

  • 見やすい : 表の構造データの意味 をすぐに理解できる
  • 扱いやすい : データ の再利用や修正、計算への活用がスムーズに行える

この記事では、見やすく、かつ扱いやすい表の作り方を解説します。 作成手順は以下の通りです。

  • 手順1. ルールに従ってデータを記入する
  • 手順2. 最小限の設定で見た目を整える

この記事を読むことで、以下のメリットが得られます。

  • 見やすく使いやすい表 が作れるようになる。
  • 表づくりで活用できる 便利機能 がわかる。
  • 初心者を脱却し、データ活用を支える「正しい表の型」が身につく。

理想は「見やすく、扱いやすい表」

「見た目がきれいなだけの表」では、実務においては不十分です。 「見やすさ」「扱いやすさ」 の両立が重要となります。

  • 「見やすい表」 :
    一目見るだけで 表の構造 が分かり、 各データの意味 が正しく伝わる表です。
    あとで見返して悩むことがなくなり、他の人との共有時にも説明コストが削減できます。
  • 「扱いやすい表」 :
    データの 再利用修正 が容易な表です。
    関数の適用や並べ替えがスムーズになり、データ活用に繋がるため作業の効率化にとって大切です。

「見やすさ」と「扱いやすさ」の2つが両立できていないと、以下のような問題が発生します。

  • 表が複雑で、内容の把握に時間がかかる
  • データの追加や修正のたびに、レイアウトが崩れて手間がかかる
  • 表のデータを関数で利用しづらく、前処理が必要になる。
吉峰
吉峰

データの再利用性を重視する実務現場では、 優先順位を「見やすさ」よりも「扱いやすさ」に置くべきです。 見映えを最優先したい場合は、入力用の表とは別に、 アウトプット専用の表を作成することをオススメします。

見やすく、扱いやすい表の作り方

「見やすさ」と「扱いやすさ」を両立した表を作る手順は次の2つです。

  • 手順1. ルールに従ってデータを記入する
  • 手順2. 最小限の設定で見た目を整える
 

手順1. 「表の作成ルール」に従ってデータを記入する

表を作成する際には、 まず「表の作成ルール」に従ってデータを記入することが重要です。 Excelでデータを扱う際の最も基本的なルールは、 「構造化レイアウト」 を守ることです。

構造化レイアウトを守る

構造化レイアウト
吉峰
吉峰

は「レコード」、 は「項目」としてデータを整理します。

構造化レイアウトに則った、 理想的な表の形式 は以下の通りです。

  • 1セルには1つのデータのみ記入 :
    • セル結合を使用しない。
    • ❌ 1つのセルに複数の情報を入れない(例:りんご 100円など)。
    • スペース改行 で見た目を整えない(文字の配置設定で代替可能)。
  • 1行1データ(1レコード)で構成 :
    • ❌ 1件のデータを複数行にわたって記入しない。
  • 最終行に集計行を配置 :
    • 必要に応じて、データの最後に集計行を設けます。

Power Query などの外部ツールと連携する場合、
テーブル設計の正確さは処理の性能や安定性に直結します。
構造化されていない表は、エラーや遅延の原因となるため注意が必要です。

便利機能:テーブル機能

Excelの テーブル機能 を活用すると、 自然と構造化レイアウトに沿った表を作成できるようになります (集計行も追加可能)。

テーブル化には以下のようなメリットもあります。

  • デザインが瞬時に整う :
    少ない操作で見やすいレイアウトが適用され、データの増減に合わせて範囲が自動調整されます。
    特に、 罫線の設定 が格段に楽になります。
  • 構造化参照が使える :
    通常のセル参照ではなく、項目名で指定する 構造化参照 が利用可能です。
    データが増減しても参照範囲が自動調整され、数式を書き換える手間が不要になります。

» その他のメリットはこちらで解説しています

吉峰
吉峰

テーブル機能を使うと 見出しは1行に限定 されますが、 工夫次第で階層見出しのように見せることも可能です。

テーブル機能による表の作り方(テーブル化の方法)

  1. テーブル化したいデータ内の任意のセルを選択。
  2. 挿入タブの テーブルをクリック(ショートカット:Ctrl + t)。
  3. ダイアログの内容を確認し、OKを押す。
テーブル化

» 手順を含む、テーブルの詳細はこちら

 

手順2. 最小限の設定で見た目を整える

最小限の設定で整えた表

表の装飾は、最小限の設定で事足りることが多いです。 シンプルに保つことで、作成の手間が省け、後の修正もしやすくなります。

まずは以下の設定を行うのがオススメです。

  • 表全体のデザイン設定 :
    テーブル機能で、好みの テーブルスタイル を選択。
    (縞模様やフィルタボタンの有無は、テーブルスタイルのオプションから変更可能)
テーブルスタイルエリアとテーブルスタイルのオプションエリア
吉峰
吉峰

より詳細な見た目の設定方法は、後述の「見た目を整える方法」で解説します。

見た目を整える方法

表の細部を整える方法・テクニックを紹介します。

  • 1. セルのスタイリング
    テキスト・セルのデザインや、セルの値の表示形式を変える設定
  • 2. 行/列のスタイリング
    幅の調整や、情報のまとまりを作る方法

図形やテキストボックスなどの Shape系オブジェクト は、
基本的に使用しないことをオススメします。
並べ替えやフィルタを使用した際に、位置がずれて混乱の原因となるためです。

 

1. セルのスタイリング

セルの見た目を整えるには、主に以下の設定項目を利用します。

  • テキストスタイルの設定
  • 表示形式の設定
  • セルスタイルの設定
  • 条件付き書式

セルの装飾は、原則として 列単位 で行い、 セル単位での個別設定は避ける ようにしましょう 見出しのセルを除く)。

理由は以下の2点です。

  • 理由1 : デザインに統一感がないと、情報の把握に時間がかかるようになるため。
  • 理由2 : 修正の手間が増えるだけでなく、管理が困難になるため。
セル単位の設定 vs 列単位の設定

セルごとに違った見た目にしたい場合は、条件付き書式を活用することで対応できます。

吉峰
吉峰

セル単位の設定は、一時的・小規模な表にのみ限定して使用しましょう。

テキストスタイルの設定

テキストのスタイルを変更する方法で、 見出しセルまたは 列全体(データ行)に設定できます。

ホームタブのフォント配置エリア、
または書式設定Ctrl + 1)から設定できます。

変更できる項目は、以下の通りです。

  • フォント色
  • フォントスタイル・飾り(太字、取り消し線など)
  • 文字の配置(左揃え、右揃え、中央揃え、インデントなど)
  • 文字の制御(セル幅が狭いときの挙動設定など)
    • 折り返して全体を表示する:
      セル幅が狭いときに改行する。
    • 縮小して全体を表示する:
      セル幅が狭いときに文字サイズを縮小する。
テキストスタイルの設定例

「セル結合」の代替方法

以下の設定を行うことで、「セル結合」を使わずに、複数セルの中央に文字を配置できます。
「セル結合」と異なり、セル選択やコピペ(コピー&ペースト)への悪影響もありません。

  1. 横並びの複数セルを選択する。
  2. セルの書式設定ウィンドウを表示する(Ctrl + 1)。
  3. 配置タブの 横位置 欄で選択範囲内で中央を選択する。

改行を入れずにセルの値を2段に表示する方法

以下の設定を行うことで、セルの値に改行(Alt + Enter)を挿入せず、2段表示できます。

  1. 文字の制御折り返して全体を表示をONにする。
  2. セルの高さを広げ、幅を狭める。
改行を入れずにセルの値を2段にする方法
吉峰
吉峰

文字の配置は、 「数値:右揃え」「文字:左揃え」 がデフォルトです。 セルの値がどのような形式のデータとしてExcelが認識しているかの判断にも使えます。

表示形式の設定

「表示形式の設定」は数セルの値自体を変えず、見た目だけを調整する重要な機能です。 列全体(データ行)に設定することが多いです。

ホームタブの数値エリアまたは、
セルの書式設定ウィンドウ(ショートカット Ctrl + 1)の表示形式タブから、 表示形式の設定ができます。

変更できる項目には、以下のようなものがあります。

  • 分類(数値、通貨、日付、時刻など)の変更
  • 単位・記号の追加
  • 数値の小数桁の調整、ゼロ埋め
表示形式の設定例
吉峰
吉峰

表示形式を使えば、数値データに「mm」などの単位を付けられます。 「1セル1データ」のルールを守りつつ、見やすさを向上できます。

セルスタイルの設定

ホームタブのフォントエリアまたは、
セルの書式設定ウィンドウ(ショートカット Ctrl + 1)の塗りつぶし / 罫線タブから、 セルのスタイルの設定ができます。

変更できる項目には、以下のようなものがあります。

  • 塗りつぶし(背景色)
  • 罫線
セルスタイルの設定の例

背景色は派手な色を使い過ぎない

鮮やかすぎる色を多用すると見栄えが悪くなる ので注意が必要です。
淡い色類似色 の使用を意識すると、落ち着いたデザインになります。

背景色は派手な色を使い過ぎない
吉峰
吉峰

罫線を使用する場合は テーブル機能 と併用した方が、 設定の手間やメンテナンス性が大きく向上します。

セルの値ごとにスタイリング:条件付き書式

条件付き書式を使えば、値の条件に応じて自動で装飾を適用できます。 上記で紹介した「テキストスタイル」「表示形式」「セルスタイル」を、セルの値の条件に応じて適用できる機能です。

ホームタブの条件付き書式ボタンから設定できます。

条件付き書式を使ったスタイリング

一部の条件では、 データバーカラースケールアイコンセット が表示できます。
数値の傾向を直感的に把握するのに役立つ要素です。

データバー、カラースケール、アイコンセット
 

2. 行/列のスタイリング

行/列の見た目を整える方法としては、以下の設定・手法が利用できます。

  • 行の高さ/列の幅の調整
  • 行/列の一時非表示
  • 列の視覚的グルーピング
  • 行の視覚的グルーピング

行の高さ/列の幅の調整

行の高さ / 列の幅を調整するには、 「行番号」 / 「列見出し」の境界線をドラッグまたは、
「行番号」 / 「列見出し」を右クリックして行の高さ/列の幅を選択して、設定できます。

設定を効率よく行うためには、下記の操作も覚えておくと便利です。

  • 自動調整 :
    「行番号」 / 「列見出し」の境界線をダブルクリックすることで、内容に合わせて自動調整されます。

  • 一括設定 :
    複数の行や列を同時に選択し、幅を変更することで一括設定が可能です。

    行や列の同時選択方法には、次の2通りがあります。

    • 範囲選択 :
      Shiftを押しながら2つの「行番号」 / 「列見出し」をクリック、または「行番号」 / 「列見出し」をドラッグ。
    • 個別選択 :
      Ctrlを押しながら追加する「行番号」 / 「列見出し」をクリック。

行/列の一時非表示

特定の行や列を、 一時的に非表示(折り畳み) にする方法です。 不要な情報を隠して、必要なデータに集中できるようになります。

  • 行の一時非表示 :
    フィルタ機能や グループ化アウトライン)機能を使用
    グループ化機能が行に対して正しく動作するのは、フィルタ・並び替えを使わない場合に限定される)。

    行の一時非表示
  • 列の一時非表示 :
    グループ化アウトライン)機能を使用。

    列の一時非表示

フィルタ機能は、表の見出しにある「フィルターボタン」で使用できます (「フィルターボタン」がない場合は、見出しの選択状態で、データタブのフィルターを選択)。
グループ化アウトライン)機能は、データタブのグループ化ボタンで設定できます。

吉峰
吉峰

「非表示 / 再表示」機能もありますが、使用した際に目立たず、見落としや共有時の混乱の原因となるため非推奨です。

行の視覚的グルーピング

複数の列のまとまりを表現し、視覚的グルーピングを作成するには下記の手順が有効です。

  1. グループ名やカテゴリ名を記入する列を追加
  2. 追加した列のセルの見た目(背景色など)が、セルの値によって変わるように、 条件付き書式 を設定する。 たとえば、「グループ:1 → 赤色」「グループ:2 → 黄色」のようにする。
空の行を入れない
吉峰
吉峰

グループ名・カテゴリ名として 数値 を使う場合であれば、 条件付き書式の カラースケール で手軽に色分けできます。

グループとグループの間に「 空白 を挿入して視覚的にグルーピングする方法」もありますが、
基本的に「空白行の挿入」は非推奨です。

理由は2つあります。

  • 並び替えやフィルタを利用すると空白行の位置がずれるため。
  • 外部からデータを利用(Power Queryなど)したときに、空白行を削除する手間が生じる可能性があるため。

列の視覚的グルーピング

複数の列を一つのまとまりとして見せる方法です。 複数列に同じ背景色を適用するだけで、視覚的にグルーピングが可能です。

グループとグループの間に「 空白 を挿入して視覚的にグルーピングする方法」もありますが、
基本的に「空白列の挿入」は非推奨です。
外部からデータを利用(Power Queryなど)したときに、空白列を削除する手間が生じる可能性があります。

データ行のセルに色付けしても良いですが、 見出しセルを共通の色にする だけでも十分にわかりやすくなります。

色で列の視覚的グルーピング

見出しのデザインを工夫して視覚的グルーピングを行う方法として、階層見出しにする方法もあります。

階層見出し

見出しの内容に重複がある場合は、 階層見出し にすると整理されて見やすくなります。

たとえば「 内寸 の幅」「 内寸 の高さ」「 内寸 の奥行き」がある場合、 上の行に「 内寸 」と表記して、見出しを短く「幅」「高さ」「奥行き」とする方法です。

階層化見出し
吉峰
吉峰

セル結合を使いたいときは、代わりに「選択範囲内で中央」(セルの書式設定Ctrl + 1)の 配置タブの横位置)を使います。 データの扱いやすさを損ないません。

テーブル機能使用時の見出し

テーブルの見出しは必ず1行(かつ重複なし)に制限されます。
その場合でも、 疑似的に 階層見出しが作れます。テーブルの見出しの上に「タイトル行」として階層見出しを表示する方法です。

テーブルの見出し:

  • Excelが見出しとして認識する行。セルの値は構造化参照の際に使用される。
  • 外部からテーブルデータを利用(Power Query==など)する場合、この1セルで意味がわかるような内容にする必要がある。

タイトル行:

  • テーブルの外(上側)に視覚的に情報を付加するための行。あくまでも「見た目だけ」の見出し。

表が横長になりがちですが、 テーブルの見出し の1行に、最低限の情報を詰め込むのがポイント です。

テーブル機能使用時の階層化見出し

表作りに役立つ関連機能

上記で取り扱ったテーブル機能条件付き書式グループ化(アウトライン)機能以外にも、表作成に役立つ機能があります。

 

ウィンドウ枠の固定

ウィンドウ枠の固定機能を使うと、スクロールしても見出し行や見出し列が常に表示されるようになります。 大量のデータを扱う際にも、どの項目がどのデータを指しているのかを把握しやすくなります。

 

入力規則設定

入力規則設定は、セルに入力できるデータの種類や範囲を制限することで、データ入力を補助し、データの整合性を高めるのに役立ちます。 条件付き書式と併用することで、 入力エラーを視覚的に強調し、データ整合性チェックをさらに強化できます。

 

コメント

コメント機能を使うと、特定のセルに補足情報を追加できます。 見出しの説明や、特殊なデータに関する注意事項を記載するのに役立ちます。

Shape系オブジェクト (吹き出しなど)も、見出しといった部分的な情報付加に使えます。
ただし、並び替え・フィルタで位置がずれるデータ中への配置は、基本的には推奨しません。

データ活用は表づくりから

「見やすく、扱いやすい表」の作り方を解説しました。

主な手順は次の2つです。

  • 手順1. ルールに従ってデータを記入する
  • 手順2. 最小限の設定で見た目を整える

「見やすく、扱いやすい表」が作れるようになると、 テーブル機能も使いこなせるようになり、 Power Query と組み合わせることで、データ活用の幅が大きく広がります。 転記の自動化データベース運用に応用できるため、 作業やビジネスの効率化にも役立つでしょう。